都市工学科紹介

沿革と設立趣旨

本学科の沿革

都市工学科は、現代の社会的要請に応えるために設立された工学部の中では新しい学科である。都市間題及び環境問題の重要性が広く一般に認識される以前の昭和30年代初期から新学科設立の動きがあった、学科の発足は1962年で、1966年には第1回卒業生を送りだした。また、1966年には大学院修士課程が、1968年には博士課程が開設され今日に至っている。

この間約1800名の卒業生を送りだし、多くは、省庁、自治体、公団、建設、不動産、商社、金融、保険、製造業、コンサルタント等多様な分野で専門を活かしながら活躍している。大学院に進学する学生も多く、学部卒業生と同様の分野の他、大学や研究所等で活躍している。自治体の首長や助役として活躍する卒業生が増えつつあることも近年の特徴である。

本学科の設立趣旨

都市工学科には、都市環境工学コースと都市計画コースとがあり、それぞれが環境問題や都市問題を解明するための専門的カリキュラムを組んでいる。

都市工学科設立の目的は、都市のフィジカルプランナー(すなわち物質的・空間的存在によって形成される諸環境の計画とデザインを行う者)の教育・養成、ならびに都市問題に対処する工学的研究・教育にあり、その対象領域は都市を中心としながらも、都市的生活領域の拡大や全地球的都市化にともない、農山漁村を含む地方圏や国土全体、さらには地球環境全体におよぶ。また、工学技術にその基盤を置くことは当然であるが、工学部の中では、法学、経済学、社会学、歴史学、心理学、美学、哲学など社会科学・人文科学と密接な関係にある専門分野である。

都市問題と環境問題は、それぞれの地域社会に固有な形で発現するものであるが、その深層には国際関係の中にある日本社会の経済産業構造、社会政治構造が通底している。現象の表層に惑わされることなく問題の全体的機構を認識、把握し、その理解を踏まえて都市問題・環境問題に対処しうる有効な工学的技術や実践的方策をどのように展開するべきか。これが都市工学に課せられた命題である。